聖なるかな感想(2)



シナリオについて。ネタバレ注意。
前作が好きなので、近作の評価がキツイのは勘弁ね。
とりとめもなく語ってます。




・シナリオの評価
色々言われてますが、総評と致しましては
永遠のアセリアの続編として期待するとアレだが、単体では中の下」
「大作になり損ねた凡作」
くらいですかねぇ。甘く見て。


まず雰囲気が軽い。前作のハードな雰囲気を期待してたのに・・・という期待はずれ感はあります。
今回も「他世界の破壊を目指す敵との戦い」「自分の中に潜む破壊神の意識に耐えなければならない」
とまあ、ハードな展開になる要素はあったんですが、全体的な雰囲気が軽いのと深刻さが見えないせいか
危機感が感じられず。
少なくとも前作ならば敵に向かって、「アンタ、誰だっけ?」みたいな事は言わないし。
特に世界の破滅関係は光をもたらすものが中盤壊滅した以降はどちらかといえば希美、沙月、望の救出メイン
で戦うことが多く、おざなりになってたし。まあ、何が言いたいかというと、南天神いらなかったんじゃね?


破壊神関連はどうにもクローズアップされる時期を逃したせいか、それとも描写が軽いせいか
そんなに深刻な展開にはなりませんでした。
・・・っていうか、ナルカナルートによるとジルオルさんは望を鍛えていたらしいので
シナリオ上で致命的な要因にはならないんですよねぇ。完全に敵対してるわけではなく、
力だけが暴走するとかでもなく、主人公との意識共存が可能な点も含め。
ジルオルがあんなに物分りがよくなかったらまた違ったかもしれませんが、かなり良い奴になってるし。
まあ、たとえ暴走したとしてもナルカナ様がいりゃ何とかなるだろう、ってのが危機感無い最大の理由か。


学園は、このシナリオだったならば正直いらなかったと思う。設定を生かしきれてない。
後半は足手まとい扱いだったし、やろうと思えば魔法の世界で帰すこともできたわけだし。
逆に、各ルートの終盤にあった授業や部活のイベントを中盤に入れてヒロインや学生との
交流が描ければ意味があったんだろうと思うんだけど。
多分、望に時計を渡すイベントと、エンディングの写真をやりたいがため入ってたんだろうなぁ




・主人公は多角的な視点を持ってる?
主人公がエト・カ・リファ戦(ラスボス、もしくはその1つ前)のやりとりで世界のリセットが必要だという
言葉に対し、「あんたの意見は俺に理解できない! だから俺達は自分たちの居場所を守り抜く!」 と
返したのはげんなり。後半はともかく前半はもうちょい違う言い方あるでしょ。
エターナルになることをあっさりと決めてるのもねぇ。皆から忘れられるとか永遠に戦い続けるとか、あんまり
深く考えてないような。まあ、エタ化自体ラスボス戦直前(マップ、ではない)にしてるからその辺グダグダやって
も仕方ないんだけど。




・エターナル
上でエターナルの話題が出たので。
沙月ルートエンディングで時深がエターナルになった主人公達のこと思い出させてます。
前作やった人間に取っちゃ色々と台無しにしてくれたとしか言いようがない。
絶と希美には4位以上の力を与えちゃうし、ご都合もここまできちゃうとねぇ。
でも、今回エターナルにならないルートがあるのは評価できると思う。




・設定倒れ?
具体的には沙月、希美、ナーヤの前世関連とルプトナとナルカナの関係とか、神獣とか、タリアとソルとか。
スキル説明で重要な設定開示するのはいいけど、それを本編に全くフィードバックしてないんだもんな。
特に前世関連はなOPで黒沙月見たときはメチャ期待したのに…。本編では「俺はアンタの事は知らない」
とか言って一刀で切り伏せて終わりとかないだろ。
望も、設定では「不安感を紛らわすために暇を見つけては剣の稽古をしています」とあるのに、訓練シーン
なんてものは一回も無かったわけで。悠人がしつこいほど訓練してたのとはえらい違いだ。
あと、初期設定ではサレスは裏切る方向だったと思う。てーか、裏切った方が絶対面白かったって。




・パワーバランス
一位>ナル・イェガ>>一位の化身>>二位>三位>>>(エターナルの壁)>>四位>>以下略


つまり、二位神剣持ちを一人で楽勝に倒せる方が仲間にいるということで。主人公達意味無いじゃん。
いやいや、後半のエターナル勢はナルカナとユーフィーが頑張ったってことにしておこう。




・クリストの存在意義
前作の雑魚スピリットの位置であるクリスト。
でも、今回クリスト達には何のイベントも無く、さらに戦闘パートでは死亡した時しか喋らないと
いう不遇っぷり。相変わらずプロフィール設定は作りこまれてるのに、本編で何も生かしてない。
まあ、特別な場所じゃないと活動できないとか言う使いにくい設定があったりはするんだけど、
それだったらクリストじゃなくてまた雑魚スピを加入させてもよかったんじゃないだろうか。




・ルート別評価
ルート別評価はナルカナ>希美>沙月>ルプトナ=カティマ>ナーヤで。
下位三人は上位陣と比べ、明らかに冷遇されてるのがなんとも。ラスボスも違うし。
ナルカナは最終戦前がなかなかよかった。このゲームでウルっときた数少ないシーン。
あとH。てか、エンディング終わってからHシーンって初めてじゃなかろうか。
逆にナーヤルートはひどかった。魔法の世界での祝勝パーティーとか。お前ら望の気持ち考えろや。




・最後に
やりたいことが多すぎて描ききれなかった、というのが一番感じたことかなぁ。
初期設定からするとサレスやタリア、ユーフィーなんてのは変わりすぎてるし。
もうちょい書くことを絞っとけばよかったんじゃないかなぁ。共通ルートが異常に長いせいか
ヒロインごとの描写が少ないし。
当然のごとく次回作もあるだろうけど、正直次回もこのノリだったら買わないと思う。
Xuseはもっと頑張ってください。